本記事は『デッドリフトベース』の解説記事です。
これから購入を検討される方、すでに購入された方の復習用としてぜひお読みください。

- デラヒーバガードに苦戦する
- 三角絞めを取られやすい
- トレアナやレッグドラッグを得意にしたい
- 低いベースを練習
- トップキープが苦手
ブラジリアン柔術紫帯。noteにて「柔術哲学」ブログを運営。フローチャートを用いた教則の解説レビュー記事は50本以上。柔術も文章を書くことも好きです。
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1.講師紹介|平田孝士朗

鹿児島県出身/1999年12月23日生
- 2025年 IBJJF EAST JAPAN INTERNATIONAL OPEN 黒帯ライト級優勝
- 2025年 IBJJF ASIAN Jiu-Jitsu Championship 黒帯ライト級準優勝(クローズアウト)
- 2022年 JBJJF全日本選手権 茶帯フェザー級優勝
- 2021年 KIT03 73kgトーナメント優勝
- 2026年 全日本柔術選手権 黒帯ライト級優勝(クローズアウト)
JBJJF全日本選手権で階級別・無差別優勝を果たし、茶帯・黒帯混合トーナメントのKIT03でも優勝して実力を証明し、黒帯へ昇格。現在は世界の舞台で戦うべく、日々鍛錬を重ねている。
■公式戦での使用例(試合動画)
- 【JBJJF全日本柔術2021】アダルト茶帯フェザー級(フルフォース・チャンネル)
- SJJJF全日本選手権2024(Jiu Jitsu NERD)
- ASJJF TOKYO OPEN 2024(Jiu Jitsu NERD)
- ASJJF CENTRAL JAPAN OPEN 2023(Jiu Jitsu NERD)
2.本教則の哲学(コンセプト)
「相手のガードを無効化するベース」
本教則のデッドリフトベースは、ガードのコントロールを無効化できます。「相手は攻められないけど、自分は攻めることができるベース」です。
【デラヒーバガード側からの攻撃を分析する】
①下半身のコントロール
→デラヒーバフックで相手の膝をコントロール
→相手はバランスを保てずアタックできない、崩される
②腰のコントロール&距離のコントロール
→デラヒーバフックしていない足の足裏を当ててフレームにして
腰をコントロールするとともに距離をコントロールできる
→相手が詰めてプレッシャーをかけられない
③上半身のコントロール
→襟や袖を取って相手の上半身をコントロールする。
☆デラヒーバなどの下半身に絡むガードは襟をもって上半身を下げさせると強力になる。
デラヒーバフックで下半身をコントロール
+
襟で上半身をコントロール
↓
強いデラヒーバ
「下半身(足)」「腰」「上半身」のうち2つ以上を制すると相手を強くコントロールできます。本教則のデッドリフトベースでは、これら3つのすべてを無効化することでデラヒーバを制圧します。
【デッドリフトベースによるガードの無効化】
①下半身のコントロールを無効化
→デラヒーバフックを解除して、足を良い位置に置くことで相手のデラヒーバフックを無効化している
②腰のコントロール&距離のコントロールの無効化
→デラヒーバフックしていない足の足裏を外すことで、腰のコントロールを無効化する
→足裏を外す(足のフレームを外す)ことで距離を詰めることができる
③上半身のコントロールの無効化
→上体を起こすデッドリフトベースをとることで相手の襟を取らせず上半身のコントロールを無効化する
デッドリフトベースを取ることで上半身のコントロールがなくなる
↓
トップ側に少し余裕が生まれる
↓
デラヒーバフックとフックしていない足のフレームも解除して腰と下半身のコントロールもなくなる
↓
相手のガードがほとんど無効化する
↓
レッグドラッグパス、トレアナパス
3.内容解説&フローチャート
- エントリーとキープ
- 基本のパスガード
- 膝を入れるディフェンス
- グリップファイト
- 相手のリアクションへのディフェンス
- おわりに
- デモンストレーション

デッドリフトベースの基本から相手のリアクションへの対処までコンパクトにまとまった内容です。
最初にエントリーとキープ、その後基本のパスを紹介。後半は相手のリアクションに合わせた対処を解説しています。
4.本教則がオススメの方とその理由
①圧倒的な実績と指導歴、説得力
平田選手の実績に裏付けられたインストラクションには説得力があります。
本作の全日本選手権でもこのベースを駆使していました。
②グリップをファイトを細かく学べる
グリップファイトは重要ながら見落とされがちな技術の一つです。本教則では、デッドリフトベースにおけるグリップファイトを細かく解説しています。
③アウトサイドパスのディティールがすごい!
デッドリフトベースは上体が高く、動きやすいベースなのでそこから足をさばくアウトサイドパスにつなげやすいです。
その際のトレアナやレッグドラッグのディティールが素晴らしいです。
アウトサイドパスはニアパスまでいけても足が入ったり、距離を詰め切れず逃げられてしまうことが多いです。
本教則のレッグドラッグの際の肘の使い方や距離の詰め方のディティールが勉強になります

④リスクが低い=トップキープしやすい
デッドリフトベースは「相手は動けないけど、自分は動ける形」なので、非常にリスクが低いです。
襟をとられていないのであおられづらく、頭が下がらないので三角や腕十字やオモプラッタなどのサブミッションもされません。カウンターされる可能性が低く、トップキープしやすいです。
試合で勝つためにはトップキープは超重要です。
⑤デラヒーバガードの理解にもつながる
本教則では相手のデラヒーバを一つ一つ解除して無効化しています。逆に本教則の解除をされないようにすれば自分がデラヒーバガードするときに相手を強くコントロールできます。
⑥フィジカルだけに頼らないテクニック(タイミングと組手と位置取り)を学べる
本教則ではフィジカル頼みの強引なパスではなくテクニカルな技を紹介しています。
相手に足を入れさせない位置取りや、距離を詰めるための組手、相手の足を効果的に流すタイミングなどを学べます。
「パワーとスピードに頼らない」というよりも「パワーとスピードをより効率的に使えるテクニック」かもしれません。
⑦安くて短い!
けっこう大事。値段が高くて長い動画は見るのも買うのもハードルが高くて大変です。
約30分(35分のうち5分くらいはアウトロとダイジェスト)でデッドリフトベースの基本から応用まで学べます。
しかも値段は4,900円とお手頃。
5.定番のデラヒーバガードパス(ヘッドクォーターポジション)との比較
よくあるデラヒーバガードの解除とパスは「襟解除、デラヒーバフック解除、フックしていない足を跨いでヘッドクォーターポジションからパス」というものです。

ヘッドクォーターポジションはデラフックしていない足を外して内(股)に入れる形、デッドリフトベースは外に出す形と言えます。
どちらもいいベースですが、デッドリフトベースならではの利点が多くあります。
【ヘッドクォーターポジション】
メリット
・相手の動きを制限しやすい
・ニーカットやスマッシュパスなどの強力なインサイドパスにつなげやすい
・こちらも襟や袖をとって攻めることができる。
・密着系パス(プレッシャーパス)、ハーフパスにつなげやすい
デメリット
・膝と手のフレームが残っている
→跨いだ足の膝のフレームと襟を持った手のフレームが残っている
・距離が近いので相手の襟グリップが残ることが多い
→襟であおられやすい
・股下の足でオーバーヘッドする崩しであおられやすい
・アウトサイドパスにはつなげにくい
デラヒーバを解除してヘッドクォーターポジションをとっても、股下のフックと襟であおられて崩されてしまった、結局ハーフガードにつかまってしまうという人は多いと思います。
【デッドリフトベース】
メリット
・上体が高いので襟を取られない
・相手のデラフックしていない足はフレームとしてほとんど機能しない
・サブミッションがされない
・アウトサイドパスにつなげやすい
・サブミッションされない
→「デラヒーバから襟であおってかばい手つかせて三角絞め」をされることが少ない
デメリット
・足を取られる
・ワンレッグエックスに入られやすい
・こちらも襟を取れない
→相手の上半身のコントロールがない、自由
・自分の上体と相手の上体の距離が遠く、密着系パス(プレッシャーパス)にはつなげづらい
デッドリフトベースは、上半身を取られない分、逆に足を相手に簡単に取らせてしまうためやや難易度は高めですが、本教則でシステムを学べば強力なトップゲームを展開できます。
ボトムはトップの上半身をコントロールできないのでサブミッションは狙えないし、崩すのも大変です。トップの上半身と腕が自由で下の足のフレームは効かないので足をさばかれやすいです。
6.このテクニックがすごい!
自分が感動したディティールをいくつか紹介します。
デッドリフトベースからのトレアナパス(②基本のパス)

デッドリフトベースからのアウトサイドパスで雑に足を流してもすぐに戻ってきます。相手の反発する力を利用する本教則のパスは相手の足をきれいにさばくことができます。
あえて相手にスパイダーをつくらせる、というディティールは感動しました。
膝が入ってきたときの対処(③膝を入れるディフェンスに対する対処)

レッグドラッグでよくある展開です。うまい人はスペースを作って膝を入れてきます。ここで同じ形に固執するとガードに戻されてしまいます。
アウトサイドパスに切り替えるというアイデアが最高です。
グリップファイトが細かい!(④グリップファイト)

本教則はグリップファイトの攻防が充実しています。
対襟、対袖、対帯それぞれの効果的な対処法を丁寧に解説してくれています。
YouTubeやクラスだと技中心の内容が多いので、グリップファイトや組手を詳しく学べる機会は少ないのでとてもありがたい内容です。
ワンレッグエックスの対処(⑤相手のリアクションへのディフェンス)

著者自身がデッドリフトベースを今まで使っていなかった一番の理由が「ワンレッグエックスに入れられる」というものでした。
ワンレッグエックスは強力なガードなので入れさせたくありません。
しかし、本教則ではワンレッグエックスのエントリーをつぶすシンプルかつ効果的なテクニックを紹介しています。
自身はこれを見て「デッドリフトベース使いたい!」と強く思いました。
位置取りがめちゃくちゃ大事!(①エントリーとキープ)

エントリーとキープ
デッドリフトベースは、相手に足を取らせるベースなのでテキトーにやると、ただ足をすくわれてスイープされます。
それをさせないために相手の内を取って距離を詰めてプレッシャーをかけます。
この位置取りは地味ですがデッドリフトベースの肝となる部分です。
相性のいいテクニック・合わせて覚えたい技
・アウトサイドパス、オープンガードパス
上半身が自由なデッドリフトベースは本教則でも紹介されている足をさばくパスと相性がいいです。
・ヘッドクォーターポジション
デッドリフトベースでデラヒーバフックしていない足を解除して外に出そうとするのを相手が嫌がるときに内に入れることができます。そうするとヘッドクォーターポジションの展開になります。
密着系パス(プレッシャーパス)、インサイドパス、ハーフパス
デッドリフトベース:アウトサイドパスと相性が良い
ヘッドクォーターポジション:インサイドパス、ハーフパスと相性が良い
これらをセットで身に着けるとより強力になります。
また、デッドリフトベースからアウトサイドパスを仕掛けてパスしきれないときにハーフパスの展開になることも多いです。
デッドリフトベースはアウトサイドパスと相性がいいですが、実はインサイドパスを得意とする人にも有効なベースです。
・アウトサイドパスが得意な人
→デッドリフトベースからのアウトサイドパスができる
・インサイドパス、ハーフパス、密着系パス(プレッシャーパス)が得意な人
→デッドリフトベースを警戒させてヘッドクォーターポジションに入る
→デッドリフトベースからのアウトサイドパスを経由してインサイドパスやハーフパスにつなげる。(いきなり密着系パスにエントリーするのは難しい)
まとめ
デッドリフトベースは強力ですが、形だけ真似しても足に絡むガードを作られてやられてしまいます。
本教則を見れば相手のガードを無効化する強力なベースの作り方、そこからのアウトサイドパス、相手のリアクションへの対処まで、デッドリフトベースの基本から応用まで学べます。
しかもそれが30分というパッケージでわかりやすくまとめられています。
いろんなパスを教えてもらったけど、ガードにつかまってそこまでたどり着けない、トップキープできない、三角絞めやオモプラッタをやられてしまう、そんな人はこのデッドリフトベースを身に着けてトップゲームを楽しんでほしいと思います。
本や教則は「読みたい!見たい!」と思ったときが一番頭に入ります。鉄は熱いうちに打て!です。興味を持った方はこちらからどうぞ!

