こんにちは、BJJ LABスタッフの下前です。
コラム3回目になります。
2回目:友達を一番大切にする
今回のテーマは、「バックボーン」です。
「彼のバックボーンは柔道だから、立ちの攻防が強いんだよね」
「レスリングがバックボーンにあるから、際が強い!」
正直、柔術から格闘技を始めた身としては喉から手が出るほど羨ましいです。
しかし、ないものねだりをしても仕方がありません。
何か自分のバックボーンはないかと考えました。
コラム記事を通じて、自分なりに出した答えとその活用方法をシェアさせていただければと思います。
何に時間とエネルギーを注いできたか?
柔道やレスリングに打ち込んできた方々、本当にすごいです。
(もちろん他の競技に打ち込んできた方々も尊敬しています。)
短い柔術歴は氷山の一角であり、その下には血の滲むような努力を積み重ねてきた方も多いと思います。
自分にはその経歴はありませんし、今から上書きすることもできません。
でも、勝ちたい気持ちや上達したい思いは決して譲れません。
彼・彼女らがバックボーンを柔術に活かしているならば、自分にも何かしらあるのではないかと思いました。
柔道やレスリングをやっている間に、自分は何に時間とエネルギーを注いできたのか?
以下の3点を意識して、少し考えてみました。
- 他人よりも時間を割いてきたことは何か?
- 知らぬ間に習慣化していたことは?
- 今だから分かる自分の強みは何か?
考えた結果、自分の答えは「勉強」でした。
大学院まで進学している人生を振り返ると間違いなく、下前快喜のバックボーンの一つであると今は感じています。
(本当に両親には感謝しています!)
念のためですが、自分の場合は一回の筆記試験で結果を出せる天才タイプではありません。
学内の成績を確保してしれっと推薦を取る凡人タイプです(笑)。
それでもこの気づきは自分にとって大きな発見であり、たくさん水平展開できる部分があると気づきました。
勉強を柔術に活かすには?
では、どうやって勉強を柔術に活かすのか?
正直に述べると、試合のマットの上では全く役に立ちません(笑)。
ただし、マットに上がるまでは勉強で学んできたことは大いに活かせます。
すぐにでも実践できる活かし方として以下の4点があります。
- ノート→練習メモ
- 復習→スパーリングの振り返り
- 予習→練習計画作り
- 参考書→教則動画
リストアップしている活かし方は決して特別ではないし、いたって普通のことです。
でも、普通の人が結果を出すためには普通のことを積み重ねることが大切だと考えています。
だから自分にはセンスがないと感じている人にこそぜひ参考にして欲しいです。
(ちなみに自分は所属ジム代表から「センスタイプでは全くなく笑、努力タイプ」と公認されています!笑)
もしすでに実施されている方はなぜやっているのかを改めて見直してみると、よりよいものになると思います。
私は見つめ直すことでより有意義に活かせるようになりました。
それでは下前なりの考えと取り組み方をそれぞれ説明していきます。
ノート→練習メモ
授業に出たらノートを取る。
勉強で学んだというよりも、当たり前にやっていたことです。
同じように練習に出るときはメモを取るべきだと思います。
これは白帯のときから続けていた習慣ですが、本当に大事だと思います。
先生が教えるテクニックの内容やスパーリングの結果、小さな気づきは、どんどんメモするべきだと思います。
大事なポイントや細かいディテールは、すぐに頭から抜けていきます。
特にメモは必須です。
先生が説明する内容を咀嚼してノートを取っていたように、「メモを取る」という行為が頭の中を整理と記憶の定着に役立知ます。
手書き、テキスト、音声、動画。メモの仕方は人それぞれで問題ないと思います。
見返したいときにすぐに検索できるため、個人的にはアプリ上でのテキストデータ管理がオススメです。
授業で学んだ内容を思い出せないときはノートを見返していませんでしたか?
同じように練習でやったことが思い出せないときは練習メモを見返すべきだと思います。
そのためには練習メモは作らないといけないし、作るべきです。
なかなか技が覚えられない悩みを持つ方は、今すぐに練習メモを作ることをオススメします!
復習→スパーリングの振り返り
中学校のときに、「勉強で一番大切なのは復習だ」と教わりました。
学んだ内容を定着させるために授業の内容を復習することはもちろん大事です。
さらに自分の得意・不得意が一発で分かるテストの復習も、勉強では大切だと思っています。
強みを伸ばす+苦手を克服するための最短ルートになるからです。
柔術でも同様で、スパーリングの振り返りが非常に大切だと思います。
誰とやって、どの展開で、技はどうだったのか?
なぜ技が成功したのか?失敗したのか?
手順がいけないのか?タイミングがいけないのか?構えがいけないのか?
振り返るべきことはたくさんあるはずです。
筆を進めるためには、内なる自分と対話するようにメモを残すことが地味にオススメです。
できるならば、スパーリングは撮影することをオススメします。
練習冒頭では覚えていても、練習終盤、ましてや帰宅してから細部まで覚えていられる方はほとんどいないからです。(いたらすごい)
スパー動画を見ていると、「こんなこと考えていたな」「この選択肢を取るべきだったな」と記憶も蘇ってきて、質の良い振り返りをサポートしてくれます。
スパーリングを純粋に楽しむことは自分も好きです。
終わった後の爽快感・疲労感・充実感は堪りません。
でも、強くなりたい・上手くなりたいという目的があるならば、絶対にそれではダメだと思います。
振り返りをすることで、自分の強み・弱みと次の練習でやるべきことは浮かび上がってきます。
毎回の練習から何かを得たいならば、ぜひ振り返りを意識して取り組んでみてください。
予習→練習計画作り
復習が大事だから予習をしなくていいのか?
そんなことはありません。
予習無しの0ベースで授業を受けるよりも、予習をした下地がある状態の方が授業の時間は充実して理解度が深まります。
柔術も同様に、その日の練習で何をするのかを決めてから臨むと、練習の質を向上させることができます。
具体的には、自分は毎回の練習で以下の2点を決めています。
- スパーリングでやるべきこと
- 打ち込みの内容
スパーリングでやるべきことは、「①トップ②ボトム③サブミッション」のそれぞれやるべきことを決めています。
やるべきことを決めた目的意識がある練習は、振り返るべき内容が明確化されることもオススメの理由の一つです。
打ち込みの内容は、その日にやりたいドリルが漏れないようにすべてリストアップしています。
(大体、やりたい技が多すぎて全部できないことが多い(笑))
はじめて取り組むドリルなどはメモも添えておくと、イチイチ動画を見返すことなく済みます。
相手あっての打ち込みですので、打ち込み時間以外の時間はなるべく少しでも減らしたいです。
(ただし、どうしても上手くいかない場合などは動画を見返すなどは全然アリだと思います。)
練習の質は、練習の前から決まっています。
計画作り、オススメです。
参考書→教則動画
学校の授業に加えて、参考書を活用することもあります。
学校の授業だけでは、個人のレベルや目標・目的などの細かい点までフォローできないからです。
柔術では教則動画が、勉強における参考書に当てはまると思います。
しかも、解説がたっぷりと書かれた参考書です。
学校の授業と同様に柔術のクラスでは、一人ひとりの目標・目的までフォローできません。
では、それぞれの目標・目的を達成するためにはどうすればいいのか?
教則動画の出番です。巨人の肩に乗りましょう。
自分の強みを伸ばす、弱みを潰す。基礎基本や新しい技術を学ぶ。
国内外問わず数多の教則が世に出ていますので、目標・目的に合った教則は必ず存在します。
決して安い買い物ではありませんが、目標・目的があるならば絶対に教則動画を活用するべきです。
ちなみに、下前が教則動画を視聴するときは下記手順で視聴しています。
- 一旦、パラパラと全体をサラッと見る。
- 普通に最初から最後まで視聴する
- 練習したいテクニックをメモを取りながら繰り返し見る
いきなり、「ヨシ、見るぞ!」と意気込んで冒頭からじっくり見るよりも、まずは全体を俯瞰することをオススメします。
全体を俯瞰することのメリットは「①つながりが確認できること②モチベーションを保てること」の2点があります。
特に2つ目が重要で、後ろに隠された素晴らしいテクニックをモチベーションにすると、冒頭の眠い時間を乗り越えられます(笑)。
よろしければぜひ参考にしてみてください。
その他
その他にもこんなことは意識してやっています。
- 毎月の振り返りと翌月の練習内容の計画作り
- 日々の練習メモと合わせて振り返ると、課題とやるべきことが浮き彫りになります
- 試合当日にやるべきことを視覚化しておく
- 最高目標を決めてから、やるべきことを最低目標として定めています。
- 仮説を立てて実践でトライする
- これは岩本選手が得意とするやり方。スパーリングは実験です。
- セミナーに参加する際は、必ず質問する
- これは地味に大事。質問の準備をするだけで参加したセミナーは有意義なものになります。
まだまだ勉強で活かせる部分があれば、どんどん水平展開していきたいです。
ちなみに最高目標と最低目標は、「自分の最高を引き出す考え方」という本で学びました。
試合当日にベストパフォーマンスを発揮したい方は必読です。
あなたのバックボーンは何ですか?
改めてになりますが、レスリングや柔道のバックボーンは喉から手が出るほど羨ましいです。
しかし、そのバックボーンは彼・彼女らが時間を割き、エネルギーを注いできた賜物です。
自らにそのバックボーンがないことは、柔術の上達を妨げる理由にならないし、したくありません。
「ないものをねだるよりも、あるものを大事に」
私の好きなラッパーの一人であるZORNのリリックです。
あるものを大事にした結果、私は「勉強」をバックボーンとして捉えました。
私の場合はたまたま「勉強」でしたが、人それぞれ十人十色のバックボーンがあると思います。
デザインや舞台、音楽、ゲーム、仕事など、何かしら得意分野や多くの時間を割いてきたことがあるはずです。
絶対に柔術に活かせる部分があると思いますが、柔術に活かせると気づいていない方も多いはず。
当たり前にやっていることが、実はあなたのバックボーンであり、柔術の上達をサポートしてくれるかもしれません。
このコラム記事を通じて新たな視点を持ってくれたら嬉しいです。
さらに「私のバックボーンはこれで、こうやって柔術に活かしている!」と教えてくれたら、もっと嬉しいです。
もちろん私の柔術上達の肥やしにさせていただきます!笑
以上です。
では、また。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!