前回はノーギ初心者に向けた『最初に押さえる足関節ポジション3選』をご紹介しました。
前回紹介したのは以下の3つです。
1. 50/50 2. サドル 3. DOA
今回は少しレベルが上がって、柔術・グラップリング競技者でも「形は知っているが名称は知らない」というポジションが入ってきます。
まずは名称と形を覚えるだけでも理解が進むので、今回も必修内容としてぜひお読みください。
基本の次に覚えるべき、効果的なポジションを3つ紹介します。
4. イリミアシ
(引用:Butt Scoot to Irimi Ashi Garami Sweep by Ari Goldman)
片足が相手の骨盤、もう片足が相手の足の間にあり、相手の片足を外側に抱えているポジションがイリミアシ(Irimi Ashi)です。
前回紹介した「3. DOA」と似ていますが、DOAは両足を外側で組んでいるのに対して、イリミアシでは足は組まずに片方の足は相手の足の間に置いています。
相手が立っていたら「シングル(ワン)レッグX」と呼ぶことが多く、お互い寝ていたときはJohn Danaherがよく使う「イリミアシ」を採用しました。アシ(Ashi)と呼ばれることもあります。また、相手が立っているときでもイリミアシと呼ぶことがあります。
【参考】ワンレッグX(セミナー動画より)
DOAと異なり、距離を取られて逃げられるリスクはありますが、相手の起き上がってくる動きには対処がしやすい形です。
掛ける側はガッチリと自分の両足で相手の足を挟んで、逃げられないようにしましょう。
相手の動きを制した後は、フットロックやアウトサイドヒールを極めることができます。また、イリミアシを中継地点としてDOAなどポジション移行を狙うのもよいでしょう。
有利度合いとしては6:4。ガッチリと入られると危険ですが、早期の対処ができれば怖くありません。
5. 80/20
以前紹介した「1. 50/50」のときに、絡んでいる足の膝がマットについている状態のポジションが80/20です。
掛ける側は身体が横に向いているので、インサイドヒールフックを極めやすい状態です。逆に掛ける側がカウンターで何か極められる危険性は非常に低いです。50/50から次に狙うべきポジションです。
有利度合いとしては名前の通り8:2。掛けられた側はできることがあまりなく、非常に有利なポジションです。
6. アウトサイドサンカク
※この引用画像では仕掛ける側が左。ラクラン・ジャイルズ(白ラッシュガード)は足関節の名手なので、要チェックです。
以前紹介した「2. サドル」は別名「インサイドサンカク」でした。
そのサドルに似ており、内側の足の足首を相手のへその上、外側の足の膝裏でその足首を隠す形にするポジションが「アウトサイドサンカク(Outside Sankaku)」です。
ごく稀に「90/10」と呼ばれていることもあるようです。
80/20から移行しやすいポジションで、80/20よりさらに腹ばいになってインサイドヒールフックを極めやすくなっています。また、以前話題になった「マイキーロック」も極めやすいです。
掛ける側が唯一気をつける点は、外側に出した足の土踏まずをべったりと地面に向けておくことです。
土踏まずが上に向いていると、カウンターでインサイドヒールフックを極められる可能性があります。
有利度合いとしては9:1。非常に深く足が絡んでいるポジションで、あとはゆっくりと極めるだけです。
防御の心得
今回は基礎から発展した3つのポジションを紹介しました。
掛けられることも多いと思うので、防御も併せて覚えましょう。
4. イリミアシ:骨盤に掛かった足を払って、距離を取るようにしましょう。
5. 80/20:まずは80/20を取られないように相手の足をコントロールしましょう。また、取られたときは自分の土踏まずを地面にべったりとつけてインサイドヒールフックを極められないようにしましょう。
6. アウトサイドサンカク:相手の足を払って80/20に戻すようにしましょう。また、土踏まずをべったりと地面につけて極められないように常に注意をしましょう。
打ち込みの方法
これまで合計6つのポジションを紹介しました。おすすめの打ち込みとしては、ポジション名を声に出しながらポジションを移行することです。
たとえば
イリミアシ→DOA→50/50→80/20→アウトサイドサンカク
というように、確認をしながら打ち込みをしてみてはいかがでしょうか。
今回紹介したポジションは以下の教則動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。