
ブラジリアン柔術紫帯。noteにて「柔術哲学」ブログを運営。フローチャートを用いた教則の解説レビュー記事は40本以上。柔術も文章を書くことも好きです。
- リバースデラヒーバをパスできない方
- リバデラからスイープ、バックを取られる方
- オープンガードからパスの起点となるアタックが欲しい方
※購入者が復習として使える記事になっています。ぜひご活用ください。

・リバースデラヒーバ reverse de la riva
略称はリバデラ(RDLR)。
相手の右足に対して内側から自分の右足でフックをかける形。
本記事では「リバデラ」と記載します。
また、内回りで相手の股下に潜るテクニック「キス・オブ・ザ・ドラゴン」を「KOD」と表記します。
選手紹介

イゴールタナベ Igor Tanabe
2000年生まれ / ブラジルサンパウロ出身
ブラジルで生を受け、日本の三重県で育つ。
7歳から柔術をはじめ、キッズ・10代のカテゴリーで高い実績を残す。JBJJF全日本選手権では黒帯で階級と無差別のダブルゴールドを達成。国内最強の呼び声高い。総合格闘家としてもRIZINで活躍し、無敗の3連勝。その組技の強さはあの青木真也が太鼓判をおすほど。
総合格闘技から引退し、2025年IBJJFアジア選手権からブラジリアン柔術に競技復帰。
階級は決勝をシェア(同門対決のため戦わず)し、無差別決勝はアンディムラサキ(世界2位の強豪)に惜敗する。
今後は柔術で活動を続けていくとのこと。
内容解説&フローチャート
全編 25:23
- 00:22 リバースデラヒーバに対してのシンカットパス
- 06:30 リバースデラヒーバに対するサイドスイッチパス
- 12:11 リバースデラヒーバに対してのバックステップパス
- 15:53 バックステップからのバックテイク
- 20:45 キス・オブ・ザ・ドラゴンに対するバックテイク
各チャプターの内容解説&フローチャート
左右の表記は、相手の右足に対してリバースデラヒーバをかける形を想定しています。

①00:22 リバースデラヒーバに対してのシンカットパス
トップ側から見て左方向へのパスガードを解説します(相手の腿ではなくスネの上を通過する方向)。
相手のフレームを無効化します。

②06:30 リバースデラヒーバに対するサイドスイッチパス
今度は逆サイド(トップから見て右方向)へのパスガード。
シンプルな動きながらディティールが技のレベルをワンランク上げてくれます。

③12:11 リバースデラヒーバに対してのバックステップパス
今度は相手の上方向(頭の方向)に対するパスガード。
相手に足を絡まれる面倒な展開をシャットアウトできます。
上半身と下半身の両方を制する強力なアタックです。

④15:53 バックステップからのバックテイク
③から派生する展開。今度は相手の後方を攻めます。
相手の背中を露出させるグリップの使い方が勉強になります。

⑤20:45 キス・オブ・ザ・ドラゴンに対するバックテイク
最後はリバデラのメインアタックとなるキス・オブ・ザ・ドラゴン(KOD)のカウンター。
相手の急所を取る動きが有効です。
相手の腰や足をコントロールして順序を追って確実に相手を制していきます。

本教則の哲学(コンセプト)
私がこの教則から感じたコンセプトは以下です。
「ベースと組手で制するガードパス」
リバデラは、足に絡み機動力を封じます。さらに上の足と両手のフレームがあり、防御力に優れています。
また、強引に攻めるとカウンターのKODをやられてしまいます。
同じ道場のリバデラ使いに苦しめられた経験がある方も多いかと思います。
本教則では相手のリバデラからのアタックやカウンターを組手でシャットアウトして、
勢いではなく手順を追ってパスガードするテクニックが収録されております。
ぜひ、ワールドクラスのパスをぜひ味わってください。
本教則がオススメの方とその理由
①圧倒的な実績と指導歴、説得力
イゴール・タナベ選手にはキッズ〜アダルトの圧倒的な実績があり、
黒帯トップクラス相手に使ってきたパスガードには説得力があります。
②分かりやすい構成とコンパクトな内容
約25分できれいにまとまっています。左右のアタック+頭方向+背中側の四方向のアタックに加えて最後にはカウンターを収録という、リバデラパスに必要な部分をギュッと厳選した内容になっています。
教則のコンパクトさは大事です。コンパクトな教則は本当に重要な部分のみ収録されています。
特に経験の浅い白帯は長い教則を最後まで見切るのが大変なので、本作でエッセンスを絞って吸収しましょう。
③組手から学べる
パスガードの前段階になる組手からしっかりと学べます。パスガードの成功は仕掛ける前の段階で決まります。
本教則の組手を学べば相手のアタックを封じてこちらが攻める状況を作ることができます。
④リバデラは頻出科目
リバデラは使い手が多く、メインで使わなくともディフェンスとしてその形になることもあります。
解除してイチから攻めるのではなくリバデラから攻められる展開があるとトップゲームが有利に展開できます。
⑤リバデラのディフェンスの勉強になる
本教則のテクニックは、リバデラをパスしたい人だけでなく自分がボトムの時にリバデラを使う人にとっても有効です。
本教則の技をされないためにはどうすればいいか、ということを考えるとリバデラのガードが上達します。
相性のいいテクニック・合わせて覚えたい技
・バックコントロール
リバデラのパスに限らず、パスアタックに対して相手が背中を向けて逃げる展開は多いので、パスを強化したい人はバックコントロール、バックテイクも強化しておくと良いです。
・ハーフパス
リバデラは遠い距離のハーフガードなので、リバデラのフックが外れてハーフの形になることが多いです。また、本教則のパスを嫌がってハーフを作ってくることもあります。
ハーフからのパスも身に付けておくと実戦的です。
・デラヒーバの解除
リバデラになる展開としてデラヒーバを解除して足を一本またぐ動きがあります。技を使うためにはその形に持っていくための技術も大事です。
あえてデラヒーバを作らせる
↓
デラを解除してリバデラにさせる
↓
リバデラのパス
という手順が実戦的です。
使ってみた感想
・キスオブザドラゴンで潜られない!
本教則の組手は非常に効果的です。この組手を作るだけでリバデラのメインアタックとなるKODをシャットアウトできます。
スパーではこの組手を取れただけで、リバデラからほとんどやられなくなりました。

・コンビネーションが強力!
今まではリバデラに対してはロングステップ(バックステップ)パス一辺倒だったのですが、一方向しか狙わないと相手にも防御されやすいです。本教則で紹介されているいろんな方向のパスをコンビネーションとして使うと相手の意識が散らされて技が決まりやすくなりました。
・けっこうハーフになる!
本教則のパスを仕掛けようとすると相手が足を挟んでハーフにして止めようとすることがけっこうありました。個人的に密着系パス、ハーフパスは好きなのでリバデラパスを仕掛けて結果的にハーフの形に持っていけるのは好都合でした。
まとめ
リバデラは、パスアタックの展開で頻出します。知らないと困ることが多いです。
圧倒的なパワーやスピードがあれば強引でもパスすることもできますが、多くの場合は力任せにいくとカウンターされてしまいます。
リバデラのパスを組手と手順をしっかり学んで、確実にパスできるようにしましょう。
この教則を見た後は、リバデラが苦手なガードから自分の得意なパターンに変わるかもしれません。
本や教則は「読みたい!見たい!」と思ったときが一番頭に入ります。
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