本記事で紹介する教則『Kガード&ヒールフックセミナー』は、寒河江寿泰選手が2023年11月12日に実施したセミナーの内容を撮影したものです。
講師紹介
■ 寒河江寿泰
山形県出身/ 1990年5月9日生
主な実績
- ブラジリアン柔術黒帯
- JBJJF第11回全日本ノーギ選手権アダルト黒帯フェザー級準優勝
- GTF.3準優勝
寒河江選手は山形県出身で小学生から柔道を習い、柔道では東北大会2位になったことがあります。
その後ブラジリアン柔術に転向し、今成正和選手から黒帯を取得。
今成選手と同じくレッグロック(足関節技)を得意とするスタイルの選手です。
国内外の大会に出て、またあるときはコンバット柔術に挑戦するなど、実績を残す選手です。
2024年6月1日には阿佐ヶ谷にて寿柔術をオープン。コンセプトは「年齢に関係なく、初心者から経験者の方までブラジリアン柔術を楽しんでいただける道場」で、寒河江選手の優しい人柄と確かなテクニックで賑わっています。
本教則に収録されているKガードは、寒河江選手が得意とするガードポジションの一つです。
Kガードはノーギのグラップリングにおいてヒールフックの技術と融合し、ギありとはまた違う独自の技術として確立しています。
ADCC2019ではLachlan GilesがKaynan Duarteに20キロ以上の体重差がありながら、Kガードを駆使して内ヒールを極めるという歴史的な試合がありました。
Kガードが使えるとまさにこのような「ザ・グラップリング」なかっこいい動きができます。
本作の特徴や注目点をまとめたので、ぜひご参考にしてください!
寒河江選手からのメッセージ
Kガードセミナーの動画では、Kガードからバックサイド50/50に入って、内ヒールを極めるまでの動きに重点を置いて紹介しています。受講者の方の疑問点を深掘りしているので、よくつまづくポイントをカバー出来ていると思います。
今後もKガードの新しい展開、Kガードと相性の良いテクニックを磨いていきます。
2024年6月に、阿佐ヶ谷駅徒歩1分、13GYM内に寿柔術をオープンしました。入会、出稽古をお待ちしています。
道場が少し落ち着いたら試合もバンバン出ていきます!
本作の特徴
本作は自分がボトムのとき、Kガードを起点にして内ヒール(インサイドヒール)を極めるまでを一気通貫で学べるのが特徴です。
相手が座ってるとき・立っているときの状況に応じてさまざまなKガードを使って内ヒールを極めるまでたどり着く方法を紹介しています。
しかし、言い換えるとグリップがない0の状態から極めまでたどり着く方法です。そのため、相手に事前に察知されるとすぐに距離を取られたり、カウンターを取られたりするため、要所でポイントを抑える必要があります。本作ではそのポイントを的確に説明しているのが特徴です。
本作で説明されたポイントを身につければ、Kガードをかけれるようになるのは間違いないでしょう。
テクニック目次
- 座った相手に対するKガード
- Kガード→バックサイド50/50→内ヒール
- ダックアンダーへの対応
- 膝が抜けてしまったときの対応
- アウトサイド三角からの内ヒール
- 立った相手に対するKガード
- Kガード→バックサイド50/50→内ヒール
- シャロ―Kガード→バックサイド50/50→内ヒール
- Q&A
各テクニックの詳細
本作の内容は大きく分けると以下の3つになります。
- Kガードのエントリー(1,6,8)
- Kガードからの極め方(2,7,8)
- トラブルシューティング(3,4)
Kガードは原理を学んでおけば相手が座っていても立っていてもさまざまな形で応用が可能です。
各ポイントから説明をします。
Kガードのエントリー
本作で紹介されているのは相手が座っているとき・立っているときのエントリーを紹介しています。さらに相手が立っているときは通常のエントリーとシャローKガードという2種類に分かれます。そのため、合計3種類のエントリーを紹介しています。
私が特にいいと思ったのは、崩しから説明がされている点です。
テクニックの概略はわかっているけどかけるまで至れない、ということがよくあります。
その場合は相手を崩せていないことが多く、崩しはアタックを成功させるために重要なテクニックです。
崩し方からしっかりと学べる点が本作の良さの一つです。
Kガードからの極め方
本作で紹介されている極めは、主にKガードからエントリーしたバックサイド50/50からの内ヒールです。
この形の内ヒールはヒールフックの中でも一番の破壊力がありますが、さらに徹底的に極めるためのポイントが紹介されています。
また、もう1つ説明されているのがアウトサイド三角からの内ヒールです。アウトサイドサンカクは知る人ぞ知る有効なポジションで、このポジションを学べるのも良い点です。
トラブルシューティング
これまで説明されたKガードを実際にやってみても、うまくいかないということが多くあるでしょう。Kガードはマスターするのが難しいテクニックなのです。
相手が少しでもKガードを知っていると、自分の両足をコントールされたり、事前に察知して距離を取られた結果、足の絡みが浅くなってしまいます。結果的に防がれることや逃げられることも多く、そうなったときの対処法は重要です。
本作はKガードを使う際に悩みがちな問題への対処方法もカバーしているため、極めまでの成功確率も上がります。
特に、相手の膝が抜けてしまうというのはあるあるで、私も長年悩んでいましたが本作を通じて解決方法を得られました。
まとめ
本作は、崩し→エントリー→極めと一気通貫でKガードのテクニックまで紹介されています。全くKガードに触れたことがなかった人でも内ヒールまで極めることができるようになります、すでにKガードを練習されている方でも新しい発見や学ぶべきポイントがぎゅっと詰まった作品です。
ぜひ本作を通じて、ノーギの美しさを感じられるKガードを習得してみてはいかがでしょうか。