初めて柔術の試合に出てみた

良かった。

お世話になっております。

BJJ LABの森谷です。

2回目のスタッフコラムは、先日体験した初試合についてです。

48歳柔術練習歴約1年の私の身に起きたこと、感じたことを書きます。

「初試合、懐かしい!」と、あんな事やこんな事を思い出したり、

「試合に出てみよう」「今はいいや」など思ってもらえたらうれしいです。

  • 試合に出た理由
  • 試合まで2週間
  • 気づき
  • まとめ

でお送りする長めの報告書。

それでは、始めます。

そもそも

2021年秋、私が柔術を始めた時の目標は「1年以内に試合に出てみる」でした。

理由は特にないのですが、夏に観戦したQUINTETである選手に目を奪われたというミーハーなきっかけはあります。

柔術道場に入会し、何もできないながらも楽しんで通えたのは、当時お世話になった先生のおかげです。

しかし、それから怪我がつづき長期離脱。

初めて腕を三角巾で吊ったり松葉杖生活を送ったり、日常生活と仕事に支障をきたしました。

それでも「また柔術をやる」と決めたのは、BJJ LABに加入したことが大きいです。

当時のスタッフは、竹浦さん、遥希さん、下前さん。この3人に私が加わった4人で打ち合わせをしていたのですが、飛び交う言葉、特に技の名前が私には呪文にしか聞こえずチンプンカンプン。

知識がないことが仕事にも影響し発送ミスもありました。

「……また柔術やるしかない」

と思いました。

また柔術をやると決めた私が私にした約束は、

怪我せず、まず1年継続する

大きな怪我もなく1年間続けることができました。

これは本当に本当に先生のおかげです。

このまま継続していれば良いものの、自分と交わした約束に飽きが来ました。

「ここでひとつ、気合を入れよう」

その気合いが試合の出場でした。

2024年2月末、先生に連絡しました。

「いつかは試合に出たいです」とつねづね言っていた私に、

先生は私の怪我のリスクを見て「出なくていいんじゃないですか?」と言っていたものの、

今回はタイミングが合って、「今しかねぇ!」と、半ば強引に初エントリーしました。後払いにしておいた辺りが私らしいです。

初試合は4/29(日)リーバサルカップに決定

自分で決めてエントリーしたのに、何をしたら良いかわからない日々が続きました。

「まだ2ヶ月もあるし」

私は長いこと舞台俳優をしており、よく事象を演劇の事に変換して思考します。

作品にもよりますが、舞台の稽古期間はおおよそ1ヶ月間。

本番初日が2ヶ月も先だなんて…

何をしたら良いのか全くわかりませんでした。

そんな調子で、身も心も特に何の変化もなく、BJJ LABの商品発送をし、職であるキッズ支援で子どもたちと戯れる日々を過ごしました。

急に「あれ?」と不調に気づいたのは初試合の2週間前。

「これはもしや、これが、あの “緊張” というやつなのでは!?」

私が予想していた”緊張”とは違った形ですでに私は緊張の波にのまれてつつある事に気づきました。

私に現れた緊張は、「全くやる気が起きない」というものでした。

「軽度の鬱じゃん」と、急に自分のことが面白く、いとおしくなったことを覚えています。

そんな状態をメモに残していました。

4/15

全くやる気が起きない。疲労溜まり抜けず膝の緩さにめいる

4/16

膝につっかかり、スパーリングしない

4/17

先生からスパーリング禁止令が下る

4/18

先生にお願いして3分だけスパーリングさせてもらいメコメコにされる。やる気がないわけではないが他にやることもあるし、色んなことがどうでも良くなった先生に1つのパスを30分かけて教えてもらう。全く手順が覚えられない私に呆れながらも教えてくれる先生は凄い

4/19

時間がなくて練習できず

4/20

後ろめたさありつつ休む理由を作って休んだ

4/21

あまりにも試合用の練習をしてなくて周りに心配される。本人はのほほんとしている。

仲間が「強くなりたい」「強くなりたい」と言っていて凄いなと思った

4/22

偏頭痛でダウン。とにかく休む理由を探して休んだ

4/23

嫌われる勇気だと教わる

台本が出来ていないのに初日が迫っているときの緊張感に似てる

4/24

疲労蓄積。スパイダーと片襟片袖の初めまして、な感じに今までのは全部モドキだった事が判明

4/25

心身力が入らないような状態。サボり癖がある私に、色々教えてくれる仲間がいて本当に幸せだと思いながらもダラけてしまった。

一応「やる気はある」

4/26

帰る間際に試合前最後の練習だったと気づく。全く実感ない。

トーナメント表が出た事を教えてくれて、仲間のありがたみを改めて痛感。

あちこちバチクソ痛い。

4/27

体調がよろしくない

なんにもやる気が起きないから

整骨院行った、えらい

4/28

偏頭痛!!! 好きではじめたはずなのに

ここまでが試合前日、注目したいのは23日。

この時味わっていたフワフワした感覚に似た過去の感覚が呼び覚ました日。

「これは舞台初日まで日がないのに途中までしか台本がない時の感覚だ」

小劇場俳優ならば一度は経験していると思います(笑)

俳優にはどうすることもできない状況ですが舞台に立つのは俳優なので、

さまざまな不安とあらゆる恐怖が募る、あの感覚。

「はいはいなるほどなるほど」と思った私は、

いま自分の身に起きていること、感じていることを徹底的に突き詰めて紐を解く作業をしました。

そして、

何が起きるかわからない。

という、今の自分のスキルでは想定できない事、

自分でコントロールできないことに執着しても仕方がないと割り切り、

今の自分にできること。

今の自分がやれそうなこと。

今の自分がやりたいこと。

を整理して「あとは賭けだ」と腹を括ったのでした。

もう気力も体力もなくなっていたのも今となってはよい思い出です。

思い返せば、学生時代のあらゆるテストも、車の免許取得時も、試験前日にジタバタしながら山を張っていた事を思い出し「変わんないな私は」と苦笑しました。

そして前日の28日は何ヶ月かに一度来る目眩と偏頭痛に襲われ1日寝込み、

過酷な舞台作品に出演した際に、共演した先輩が鏡に向かって呟いた「好きではじめたはずなのに」という言葉を思い出しながら、ありとあらゆる頭痛薬を飲んだのでした。

完全に吹っ切れた

ただやるだけ

緊張ない

これは試合の日、朝のメモでした。

勝って負けて。

1日でこんなに経験が積めてお得!!と思いました。

翌日4/30

肩痛い

膝痛い

楽しかったけど思い出したくない

5/1

やっと試合内容のたらればを

5/2

やっと日常感

急に我に還って虚しさも

5/3

勝った試合も負けた試合もまだ動画見れず

本当は見た方が良いんだろうけど、見て落ち込むくらいなら見ないまま呑気に練習に励みたい。

だってそもそも柔術は趣味だから!!

色々あったなあ、と思いますが、

それは自分以外には本当にどうでもよい話。

まとめ

試合に出たからこそ知れた自分の姿があってとても良かった。

どうしたって怪我のリスクはあるから試合に出なくてもモチベーションを保てたらいいなと思う。

継続することが大事。

私にとって柔術は、様々な気づきを与えてくれる究極の趣味。

先生と仲間のおかげで続ける事が出来ています。

みんな、いつもありがとう。

まだ未定ですが次回試合の目標は「尻もちをつかない」です。