空前の大ヒットとなった『ハーフガードの原理原則』の続編が誕生しました。
本作ではハーフガードから生じる「スクランブルの攻略」をテーマにニーツイストハーフとドッグファイトの解説をしていただきました。

(お得なセットもご用意しています)

ブラジリアン柔術紫帯。noteにて「柔術哲学」ブログを運営。フローチャートを用いた教則の解説レビュー記事は40本以上。柔術も文章を書くことも好きです。
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- ハーフガードで脇を差した後に何をすればいいかわからない
- 脇を差してもスイープできない方
- スクランブルの攻防で負けてしまう方
- ハーフガードの理解を深めたい方
※すでに購入した方が復習として使える記事になっているのでぜひご活用ください。
全編56:39
- ニーツイストとドッグファイトのメリット
- ニーツイストハーフの入り方
- ドッグファイトへの移行
- ロールスイープ
- レッスルアップ
- ニーツイストロック
- ドッグファイトの戦い方
- アームロール
- 片足タックルへの移行
- サバ折り
- スローバイ
- テイクバック
- ハーフガードとニーツイスト・ドッグファイトの関連性

用語解説
ニーツイストハーフ

通常のハーフは、下の足(下の画像だと右足)で相手の足に絡みますが、ニーツイストハーフは上の足(下の画像だと左足)で絡む形です。コヨーテハーフ(coyote half)とも呼ばれます。
ドッグファイト

コヨーテハーフから下の足が抜けて相手の横についた形です。
本教則の位置づけ

本教則は過去作とセットで学ぶことがオススメです。
- 正面の攻防 ⇒『ハーフガードの原理原則』
- 下(内)の攻防 ⇒『ディープハーフ表裏』
- 横(外)の攻防 ⇒『スクランブルの攻略』(本作)
で学ぶことができます。これらの3つの教則をセットで学ぶことでより強力なハーフガードシステムが完成します。



内容解説&フローチャート
購入した方もフローチャートを見て復習してください。

それでは本作収録の各チャプターのテクニックを簡単にご紹介します。
1.ニーツイストとドッグファイトのメリット

イントロの部分です。ニーツイストとドッグファイトがどのようなものか、そのコンセプトを説明しています。これだけでも買う価値アリです。
本チャプターはYouTubeで特別公開しています。ぜひご参考にご視聴ください。
2.ニーツイストハーフの入り方

本チャプターはYouTubeで特別公開しています。ぜひご参考にご視聴ください。
3.ドッグファイトへの移行

それぞれのポジションのエントリーです。なんとなくニーツイストとドッグファイトの形を知っていても実戦では相手に潰されてしまいます。相手のプレッシャーを抑えつつポジションに入る方法を学べます。
4.ロールスイープ

5.レッスルアップ

ニーツイストハーフの代表的なロールスイープとレッスルアップ。手足の位置や力を入れる方法、技を出すタイミングを丁寧に説明しています。
6.ニーツイストロック

次はニーツイストハーフからの足関節。これはおもしろいです。技が極まる理屈を理解できると技の精度が上がります。知らない相手にかけたら効果が抜群です。
7.ドッグファイトの戦い方

個人的にこのパートがとても好きです。スクランブルをきれいに言語化してくれています。手足や相手と自分の肩の位置関係を一つひとつ分析しています。ここまでスクランブルの攻防を理解できたらライバルと差をつけることができると感じました。
本チャプターはYouTubeで特別公開しています。ぜひご参考にご視聴ください。
8.アームロール

形だけ見ると簡単そうに見えるけど、実際にやると脇を差し返されてしまうこのアームロール。相手にカウンターさせない秘訣があります。
9.片足タックルへの移行

ドッグファイトから展開を切り替えるアタックです。立ち上がるときのディティールが勉強になります。強引に立っても力の強い人だと潰されてしまうので。
10.サバ折り

力技の代名詞だと思っていたサバ折りですが、脇の差し合いや位置取りの攻防に細かいテクニックがあって非常におもしろかったです。
11.スローバイ

レスリングのテクニックの応用です。これも見よう見まねだとうまくいきません。ポイントとなる〇手の使い方を意識すると一気に成功率が上がります。
12.テイクバック

瞬発力やバックテイクに圧倒的な自信があれば、相手が背中を見せた瞬間に飛びついてバックテイクできますが、今回は相手の節々を制して手順を追って確実にバックテイクする方法を学べます。
13.ハーフガードとニーツイスト・ドッグファイトの関連性

最後はコンセプトの話。岩崎先生が大事にしている「原理原則」。
ニーツイストハーフとドッグファイト、そしてスクランブルの攻防の「原理原則」を説明しています。
本教則の哲学(コンセプト)
「スクランブルを解析する」
柔術では、「できなかったことを次回はできるようにする」ことが上達のために必要です。そのためにはその攻防を分析して理解して振り返ることが重要です。
しかしスクランブルの攻防においては「なんかガチャガチャしてスイープできた」「フィジカルと反応速度で押し切られた」のように”なんとなく”の分析しかできないことが多いです。これではなかなか上達につながりにくいです。
- ①ハーフの攻防で脇を差す
- ②スクランブルになる
- ③スイープする/失敗する
ハーフの攻防で①と③のパートは多くの人が振り返りをしますが、②の部分は見過ごされがちです。この②の部分を学べるのが本教則です。なんとなくの分析になりがちなスクランブルの攻防を一つひとつ丁寧に解説しています。組手、手足や頭の場所、体の位置取り、力を入れる場所や方向、タイミングなど、見過ごされがちなスクランブルの攻防のディティールを学べます。
教則で岩崎先生はこうおっしゃっていました。
- 「なんとなく力技でも制圧できますし、今回のポジションは他人から見ると『スクランブル』という一言で済まされてしまうポジションです」
- 「スクランブルは『ぐちゃぐちゃになっている』という意味ですが、要は理解ができていないということです。本当は技術として整理できるものを『スクランブル』と線引きしてしまうのはもったいないです。技術で説明できるものをスクランブルにしてしまっている節がある、そういうことが多いのではないかと思い、今回この教則動画を出させていただきました」
- 「技術で最後まで埋めて自分の中で理解できるようにして、相手の理解を超えた上で相手を制圧することが一番理想的です」


本教則がオススメの方とその理由
①圧倒的な実績と指導歴、説得力
岩崎先生ご自身の実績はもちろん。指導者としても多くの弟子が活躍しています。その確かな実績と指導経験によるインストラクションは非常に分かりやすく説得力があります。
②構成と順序が分かりやすい
掲載されている教則のテクニックはつながっていて順番にも意味があります。本教則の技をパッケージとして学ぶと理解が深まります。
③コンセプト・原理原則を学べる
単なる技紹介ではなく「なぜこの動きをするのか」「この組手の意味は何か」といった技のコンセプトや原理原則が学べます。技を理解するときはこれが最も大事です。
④「脇を差したその後」「スクランブル」「レスリング的攻防」を学べる
「本教則の哲学(コンセプト)」で先述しましたが、本教則はスクランブルの攻防を学べます。
多くの教則では
- 組手や形を作る
- スイープする
といった順序で技を紹介します。しかし実際のスパーでは
1.組手や形を作る
↓
相手が耐えてくる(スクランブル、レスリング)
↓
2.スイープする
といった攻防が発生します。このスクランブルの部分をしっかりと言語化している教則は非常に稀ですし、言語化が難しいパートになります。
だからこそ、多くの人がちゃんと掘り下げていないこのスクランブルやレスリングの攻防を身に付けることでライバルたちに差をつけることができます。
⑤フィジカルではなくテクニックで戦える。フィジカルや瞬発力に自信のない人、マスター世代にも使える
本教則ではスクランブルをテクニックとして分析、解説しています。ニーツイストハーフ・ドッグファイトは相手の正面ではなく横を取る形なので、相手の体重のプレッシャーを外して戦うことができます。
また、ニーツイストフックは相手の膝をひねる動きを利用するのでパワーでなく足関節のプレッシャーで相手をコントロールできます。
上記の特徴から、本教則のテクニックは瞬発力やスピードやパワーに自信がない人でも使えます。柔軟性やフィジカルが衰えてきたマスター世代にもおすすめの内容です。
相性のいいテクニック・合わせて覚えたい技
・「脇を差すまで」の攻防
本教則のテクニックは「脇を差してから」の内容になります。なので「脇を差すまで」の攻防をしっかりと学ぶ必要があります。
前作の「ハーフガードの原理原則」で詳しく学べます。

・「もぐるアタック」=ディープハーフ
脇差しと対になるのがもぐりのアタックです。外に回る脇差しと内に入るもぐりをセットで使うとより強力なハーフガードシステムになります。

・レスリングの攻防
・振り(振り上げ)
・片足タックル
・サバ折り
・脇の差し合いの攻防
・サイドバックの攻防
など
教則内で言っていたように、ドッグファイトやスクランブルはレスリング的な攻防になります。レスリングのテクニックが有効になります。
YouTubeで検索してもいいですし、こちらの有元先生の教則は分かりやすいです。自身もほとんど買っています。教則内で説明されている「振り(振り上げ)」や「片足タックル」の攻防も詳しく学べます
向いている人、有効な相手
本教則が向いている人
・ハーフガードを使う人
・スクランブルの攻防で取り逃がしてしまう人
・スクランブルをパワーやスピードや反射神経ではなく、組手や原理原則で相手を制したい人
有効な相手
・スクランブルが強い相手、スピードに自信がある相手
→よく動いてくる相手を捕まえてペースダウンさせて攻防できるので左右に走るパスが得意な相手には有効に働きます。
使ってみた感想
・小手を巻いて潰されない!

(※小手を巻く=ウィザーディフェンス、オーバーフック)
脇を差した後、バランスが良い相手だと小手を巻いて耐えてきます。肩を入れて潰してくるのでそのまま立たれてスイープ失敗に終わることが多かったのですが、ロールスイープやアームロールを使うことで相手の小手を無効化してスイープすることができました。
・立たれてもまだ攻められる!

脇差しからスクランブルで立たれるとそのまま顔を押されて逃げられたり、片足タックルをケンケンで耐えられて場外に出てしまうということが多かったのですが、本教則では立たれてからの片脚タックルやサバ折りも紹介されていてそれらの技につなげることができました。
・フィジカル強者にも通じる!

自分より階級が大きかったりパワーのある若手にはハーフで脇を差しても取り切れないことが多かったです。なので別のガードを選択していました。
でも、本教則ではニーツイストハーフで相手の膝をコントロールしたり、相手の力の伝わりづらい位置取りを取ったりすることで「五分の状態での力と力の勝負」をせずに済みます。「相手の力が入らないけど、こちらは力の入る形での勝負」ができるのでフィジカル強者相手でもスイープが取れます。
まとめ
最後にもう一度、教則の岩崎先生の言葉を紹介します。
- 「重要なことは段階を登ること。手の位置、膝の位置、両手両足の役割、いろいろな役割が合わさって一つの技になっています。順番を守るということが大事です」
- 「なんとなく力技でも制圧できますし、今回のポジションは他人から見ると『スクランブル』という一言で済まされてしまうポジションです。」
- 「スクランブルは『ぐちゃぐちゃになっている』という意味ですが、要は理解ができていないということです。本当は技術として整理できるものを『スクランブル』と線引きしてしまうのはもったいないです。技術で説明できるものをスクランブルにしてしまっている節がある、そういうことが多いのではないかと思い、今回この教則動画を出させていただきました。」
- 「技術で最後まで埋めて自分の中で理解できるようにして、相手の理解を超えた上で相手を制圧することが一番理想的です」
本教則を見ることで今まで「スクランブル」でひとまとめにしていた攻防を一つひとつのテクニックとして理解することができます。スクランブルが理解できれば強くなることはもちろん、柔術の技術の深みを知ることができます。試合で勝ちたい人も柔術をより楽しみたい人にもおすすめです!

(お得なセットもご用意しています)
