【徹底解説】『ヒールフックの教科書』高橋サブミッション雄己

本記事で紹介する『ヒールフックの教科書』は、高橋“SUBMISSION”雄己選手によるグラップリングにおけるヒールフックに特化した教則です。

講師紹介

高橋 SUBMISSION 雄己

Takahashi Yuki

愛知県出身 / 1999年4月14日生

2022年NAGA アダルトエキスパートフェザー級優勝
2022年Polaris20 Prelims判定3-0勝利
足関節などサブミッションによる極めの強さから「高橋SUBMISSION雄己」と呼ばれている。
選手活動をしながらグラップリングイベントを積極的に主催している。
2023年米国プログラップリングリーグFINISHERS・バンタム級王者を獲得

高橋選手は、選手として海外で活躍するとともに、グラップリング大会「Level-G」のプロデューサーとしてグラップリングの普及に努めています。

大会開催以外にも、「サブミッション塾」を開催しており、グラップリングの技術の普及も行っています。特徴としては、「身につけるべき基本」として洗練した内容を、直接指導でしっかり身に付けられます。毎週土曜、新宿にて開催しており、無料体験/入会は公式LINEからご連絡ください。

また、現在は「格闘解剖学研究所」というnoteも行っています。今の格闘技シーンで気になるテーマをピックアップし、フィジカルトレーナー・森安一好が解剖学の視点から深掘り解説する内容となっております。ぜひこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

筆者紹介:和田拓也(わだたくや)

日本一足関節が取れる哲学専修ノーギグラップラー。ノーギ歴約10年で今成正和選手公認足関節弐段。日々世界のグラップリングの大会や技術トレンドを追っています。

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本作の特徴

本作は、グラップリングの足関節に初めて触れる人が、ヒールフックについての基礎知識を一通り学べる最初の一本として最適な教則動画です。

グラップリングは、柔術(ギあり)には存在しないヒールフックが基本的に許されているため、技術体系や戦術が大きく異なります。そのため、ギあり柔術をやっている人には入りづらい印象があるかもしれません。しかし、近年のグラップリングではヒールフックが標準的な技術となってきました。本作はヒールフックの概要を理解するための入門教則としてぴったりの内容です。

BJJ LABでは、別途足関節のポジションについて紹介した記事があります。こちらも併せてご覧いただくとより一層理解が進みます。

●【グラップリング初心者必見!】最初に押さえる足関節ポジション3選(https://grappling.jp/bjj/list/leglock-basic-3position/

●【ノーギ中級者向け】次に押さえる足関節3ポジション(https://grappling.jp/bjj/list/leglock-advanced-3position/

●【ノーギ上級者向け】さらに押さえる足関節3ポジション(https://grappling.jp/bjj/list/leglock-expert-3position/) 

テクニック目次

  1. サドルポジションからの攻防
  2. はじめに
  3. サドル・外掛けの定義
  4. メリット・デメリット
  5. サドルロックからの攻め方
  6. 膝を深く入れる
  7. 内ヒールの極め方
  8. 内ヒールの防ぎ方
  9. サドルポジションのディフェンス
  10. 上の足を押し込む
  11. 三角形の下を押し込む
  12. 逆足を取る
  13. 下から巻いてすくう
  14. 外掛けの攻防
  15. 外ヒールの基本的な極め方
  16. メリット・デメリット
  17. 50/50の攻防
  18. メリット・デメリット
  19. 足の組みを外す
  20. まとめ
  21. バックサイド50/50の攻防
  22. 極め方
  23. 防ぎ方
  24. ストレート50/50の攻防

各テクニックの詳細

本作の構成は以下のとおり。

内容構成
・サドルからの内ヒール(インサイドヒール)の攻め方(1~7,12,13)
・サドル・内ヒールの防ぎ方(8~11)
・サドルからクリップラーの極め方(14~16)
・50/50の攻防(17~20)
・バックサイド50/50の攻防(21~23)
・ストレート50/50(DOA)の攻防(24)

サドルからの内ヒール(インサイドヒール)の攻め方

本作は基礎から丁寧に解説されており、「サドルとはなにか」という基本概念から説明が始まります。順を追って説明しているため、初めての方でも安心して学ぶことができます。

まさに一から技を習得できる点が、本作の大きな特徴となっています。

(00:47より引用)

このパートを見れば、サドルからのインサイドヒールがどのように極まっているかがよく理解できます。

サドル・内ヒールの防ぎ方(8~11)

サドルを取ってから極めるまでの技術に加えて、防御方法も詳しく紹介されています。

サドルを取るのが難しいと感じる人でも、実際の練習では取られる場面は必ず出てきます。そのため、基本的な極め方と逃げ方を学んでおくことで、このポジションへの苦手意識を克服することができます。

サドルからクリップラーの極め方

サドルから相手の足を外側に流すことで「クリップラー」と呼ばれるポジションを作ることができます。そこから外ヒール(アウトサイドヒール)を極めることができます。これもギあり柔術では見られない技術で、非常に破壊力がある極めとなります。この技を習得することで、さらなる強みを身につけることができるでしょう。

(12:43より引用)

50/50の攻防

ギありの柔術でも50/50は存在しますが、ヒールフックが使えるか否かで技術体系は大きく異なります。本作では、50/50から80/20を経由してインサイドヒールを極める方法を詳しく解説しています。選手によってはサドルよりも50/50からの攻防を得意とする場合もあるため、こちらも練習してみることで、自分に合った技を発見できるかもしれません。

(20:05より引用)

バックサイド50/50の攻防

自分が相手の背中を見る形で50/50の足の形になるポジションが、バックサイド50/50です。このポジションからは非常に強力なインサイドヒールを極めることができ、通常の50/50とは異なる技術として習得しておくと効果的です。

ストレート50/50(DOA)の攻防

ストレート50/50は、DOA(Double Outside Ashi)やOutside Ashiとも呼ばれ、ギあり柔術でも認められているポジションです。フットロックを狙いやすい体勢であると同時に、アウトサイドヒールも可能なポジションとなります。本作では、ストレート50/50からアウトサイドヒールを極めるまでの過程を詳しく解説しています。

まとめ

本作はヒールフックの極め方とその防御方法に特化した内容で、シンプルながらも充実した内容となっています。

ぜひ本作からヒールフックに触れてみてはいかがでしょうか。