新企画「マスター柔術家の上達を科学する」#1 【強さとは?】

BJJ LABで新しい企画が始まりました。テーマは「マスター世代の上達を科学する」です。

右が筆者ノブトウ

今回は「マスター世代」の柔術競技者の上達が焦点を当てた企画です。

柔術は他の競技よりも固有の身体能力(俊敏性、反射神経、動体視力)での差が出にくく、考え方や練習の工夫で上達しやすい競技でもあります。

また「上達を科学する」とは、「再現性のある方法で上達していく」という意味です。仕事で忙しいマスター世代でも普段の練習で取り入れられる方法のみを紹介します。

私(ノブトウ)が被験者として、教則動画やレッスンを通じて成長することで、マスター世代の皆さんにも「これなら自分も上達できるかも」と思っていただける企画になれば幸いです。

ノブトウの基本情報

最初に私ノブトウの情報について紹介します。

  • 37歳で柔術を始めて、現在39歳(マスター2)。
  • 青帯、ライトフェザー級
  • 子供2人、都内のIT企業勤務
  • 格闘技歴はなし。中学のテニス部、高校は文化部

ダイエットで筋トレを始めても三日坊主(過去2回挫折)。2022年3月、近所にあった「所プラス」でノーギにハマりました。2022年10月から「ねわざワールド品川」に掛け持ちで柔術(ギ)を始め、現在はギがメイン。

柔術の練習頻度

柔術歴は2年3ヶ月です。ギを増やしてから一気に練習量が増えています。

  • 1〜7ヶ月:週1~2回
  • 8〜24ヶ月:週3~4回
  • 25~27ヶ月:週4~5回

延藤の成績(今回の相談内容)

よくある話ですが、青帯昇格直後から勝てなくなり(4連続で負け)、そこから2023年年末にかけて成績は上がったものの、今年は3回連続初戦敗退です。

やった結果はすぐ出ない

ここからは本編Youtubeのまとめです。

試合の成績に関しては、竹浦さんの所見は以下の通りです。

  • 柔術の上達には時間がかかる⇒中長期的に伸ばしていく忍耐力が必要です。
  • いま練習している技は3年後まで出ない⇒試合では磨いてきた技しか強い相手にはかからない

柔術の「強さ」をどう測るか?

これは皆さん、悩むところではないでしょうか?

みんなが同じ格闘技歴で、体重・年齢も同じであれば「強さ」はわかりやすくなります。しかし、特にマスター世代になると年齢も大幅に変わります。

そもそも柔術における「強さ」とは何でしょうか?

竹浦さんの回答
  • 「強さ」の定義はすごく曖昧。肉体的な強さ、精神的な強さ、そのほかにも人間としての成長という意味でも捉えられる。
  • 評価として「強さ」は、試合の結果ではかるべき。しかし、それだけでは不十分。なぜなら「高い頻度で試合に出るのは難しい」、また「トーナメントなど組合せの運もある」ので、試合だけで難しい。
  • 柔術競技者の全員が試合志向ではなく、試合の結果のみで「強さ」をはかるのは難しい。また、そこに固執すると自分の実力を見失う可能性がある。

わかりやすいですね。では、誰でもわかる方法で「強さ」を知るにはどうすればいいのでしょうか?

「同じジムの3人をライバルにして、その対策をする」

そこで竹浦さんが薦めるのは以下通りです。

ポイント
  • できる限り、同じ実力・年齢カテゴリが近い3人を選ぶ。
  • 同じ技でやられることが多ければ、そこを攻略する。
  • 普段の練習環境を生かして、自分の実力を見定め、スキルを上げていく。

最短の上達方法は「苦手を克服する」「得意を伸ばす」

  • 3人を決めて、その対策をすることが最短で一番上達する方法。テクニックもまんべんなくやると中途半端になるので「苦手の克服」「得意の伸長」に集中する。
  • 具体的には、3人に対して、得意パターンで勝つ。逆にやられるシーンが似ているのであれば、攻撃を防いだり、カウンターを用意する。
  • どこでも通用する基本的な対策をする、とは別に特定の個人の対策をする。まったく同じ展開にならなくても、似た展開を知ることで対策の精度が上がっていきます。

以上が今回の動画の大きな3つのポイントでした。

マット運動、フィジカルトレーニングはやるべき?

補足として、テクニック以外の練習についても触れておきます。

マット運動は大事

やはり白・青帯はやり込むべきとのことでした。寝た状態で体を動かすこと自体に慣れていくことが上達の近道ということです。

感覚的に違和感がなくなるくらい、滑らかな動きを目指しましょう。

フィジカルトレーニング

やった方がいいのは当然です。ただし、マスター世代は時間に限りがあるので、おすすめは難しいとのこと。フィジカルトレーニングのためにクラスに参加できないというのは避けた方がいい。マスター世代の場合(特に白・青帯)はフィジカルよりテクニックに取り組んだ方がいいとのことでした。

今回の動画が本企画の第一弾です。定期的に練習やレッスンの学びを記録していく。マスター世代の皆さんの気づきや励みになるコンテンツをご提供していきます。ぜひお楽しみに!